「屋根の釘がぬけていますよ」新手の詐欺まがいの業者に引っかかりそうになりました

親切に教えてくれたとしか思えなかった

我が家の近くで新築住宅の工事がおこなわれていました。1年以上かかったでしょうか。日を置いて、色々な工事業者が出入りしていました。

業者がかわるたび、工事のあいさつということで、ピンポンを鳴らし、業者名と工事日などを書いた用紙、もしくは名刺を置いていくのが常でした。

そんなある日も、ピンポンが鳴り、工事業者がインターフォンの画面に映っていました。

もちろん、玄関には出ず、インターフォン越しに会話します。

この業者の話は、

お宅の屋根の釘が抜けている。

今見たら、知らせておいた方がいいと思ったから知らせた。

/知らない業者

私は仕事中だったので、慌てて対応しました。屋根の釘が抜けているという言葉に焦ってしまい、これは大変!家族に話をよく聞いてもらおうと対応を変わりました。

普段は玄関の外に出ないのに、出ましたよ。出てみると、若いお兄さんで、作業服姿。「今見たら」の言葉に、「あー近所で工事をしている人が終わって帰る途中なのだな、工事をしている時、きっと3階部分から我が家の屋根が見えたのだろう。親切に教えてくれてありがとう」

そんな気持ちで対応しました。

その後、対応を引き継いだ家族によると、証拠を残してもらわないと私から文句を言われるだろうと、スマホで写真を撮ってくれるよう依頼。しかし頑なに断られた、と。

ものすごく不安になる

この人は絶対、近所で工事している人だと疑いませんでした。そして、親切に教えてくれたと本当に思いました。

だからこそ、「屋根の釘が抜けている」という言葉にものすごく不安になりました。

主人に聞くと、「おかしいな、うちの屋根には釘は使っていないはず。それおかしいよ」

との言葉。

主人と業者、どちらを信じる?と聞かれたら、この時点では業者を信じていました。

実際に屋根を見た

どうしても心配だったので、屋根を見ました。

大丈夫。釘は抜けていない。そもそも、主人が言った通り釘は使われていない!

確かに20年以上経つので、屋根の塗り替えは必要な時期になっています。

それでも、すぐに修理が必要なほどではない、と結論付けました。

近所で同じ事例があった

近所の人と話す中で、屋根の話をしていく業者がいる、という話題になりました。

我が家の近所では、何件か同じように言われたそうです。それも必ず、近くの家で工事をしている、という条件があるようです。

この人たちは、「近所の工事業者」ではなく、「近所で工事をしている家を見つけた怪しい業者」のようです。

工事を勧められなかったのが却って信じる要因となった

悪質業者は、強引に乗り込んで、見積もりを取り、実際の工事後に追加料金と称して更に法外な料金を「ぼったくる」というイメージでした。

しかし、我が家に来た業者は、「工事をします」というどころか、「忙しいから、これで」とそそくさと帰っていったのです。

だまし取ろうと思っているのなら、連絡先とか教えるのだと思っていたのですが、違う。

そんな心理が働いて、だまされたのだと思います。

お金の被害はありませんでしたが、気持ちの部分では明らかにだまされました。

近所で工事をしていたら注意

少し前は「近所で工事をしていてお宅の屋根が気になったので」などの言葉で玄関を開けさせていましたが、最近は、善意をよそおって、「お宅の屋根、壁が壊れていますよ」と信じさせる手法でやってきます。

それも、近所で<本当に>工事をしている、というのがポイント。その工事業者が気が付いて教えてくれた、と思わせます。でも実際は、近所の工事業者ではないのです。

工事業者が、車に社名を書いていることは稀です。

ですから、なりすますこともできるのです。

我が家の場合、「知り合いの屋根の業者に相談してみる」と言ったからそそくさと次のターゲットに行ったのかもしれない、という結論になりました。

近所で工事をしていたら大元の会社に連絡してみる

この怪しい業者が来て、3カ月ほど屋根のことが気になって不安でした。この業者に連絡して、我が家の屋根の詳しい状況を教えてもらおうと本気で思っていました。

でも連絡先が分からない。

近所の新築工事の会社名は分かっている。だけど、文句を言っているように取られたら嫌だったので、連絡しませんでした。

連絡してよかったのです!

「屋根を指摘されたけど、本当のところを知りたい」

大元の会社は、おかしな話だと指摘してくれるでしょう。

オレオレ詐欺の対策で、「本人に直接確認しましょう」というのと同じです。

皆さまもぜひ、お気を付けください。